こどもの発音の発達
こどもの発音の発達は、一定の順序性があります。
発音がはっきりしないからといってすべてが構音障害にあてはまるわけではありません。
音の獲得の目安
母音の完成
おおよそ3歳で実用的なレベルに達する。
子音の完成
おおよそ6〜7歳ごろに完成する。
パ行、バ行、タ行、ダ行、ワ行、ハ行、マ行、ナ行
3歳~3歳半ごろまでに獲得。
カ行、ガ行
4歳ごろまでに獲得。
サ行、ザ行、「ツ」
4歳半~5歳ごろに獲得。
ラ行
5歳ごろに獲得。
※構音の獲得時期はおおよその目安です。構音の獲得は個人差が大きく、とくにそれは年齢が小さいほど著しいものです。
発達途上の構音の誤り
それぞれの音を獲得する段階で、こどもは自分が持っている音のレパートリーのなかから音の作りが似ているものを換わりに使うことがあります。
これは、「発達途上の構音の誤り」「未熟構音」と呼ばれます。
- 「でんしゃ」→「んしゃ」(音が抜けちゃう!(脱落))
- 「とうもろこし」→「とうろもこし」(音が入れかわっちゃった!(音位転換))
- 「はっぱ」→「ぱっぱ」、「なべ」→「なめ」(音が前後の音に寄ってしまった!(同化))
- 「だんご」→「だんごん」(音が増えちゃった!(音の付加))
これらの誤りは構音の誤りとは区別して考えます。
発達途上の構音の誤りには、4歳半ごろに芽生える「音韻意識」が深く関係しているのです。
これらの構音は、音韻意識のトレーニングをすることで治癒することができます。
- 上野 みや
- 言語聴覚士。
2016年より言語聴覚士として臨床経験を積む。
TEACCH研究会神奈川支部、日本自閉症協会、子どもの発達支援を考えるSTの会に所属し、発達障害の支援について幅広く学ぶ。
年間約80名の言語治療・療育、発達相談を実施。
過去、大分大学医学部附属病院にて口唇・口蓋裂児の言語治療・診療に携わる。その他講演会実績あり。
株式会社ビレッジ児童発達支援・放課後等デイサービスことり 顧問。